抹茶の品種

抹茶の種類

お茶は全部茶の木という品種の葉っぱを煮出したものだから品種なんてないのではと思いますよね。確かに元となる品種は一つでしたが長い年月に人の手が加えられ品種改良された結果、様々な品種が生まれました。

お茶の木は暖かい気候で生息していましたが、日本の気候にも適応する耐寒性の強いものへと変えられました。

抹茶の旬は春だと感じられる方が多いと思いますが、実は秋になります。収穫は春に行われるのですが緑茶と違い熟成させる期間があるので、出回るのは熟成が完了した秋になります。

京都では抹茶に適した品種になるように 長い歴史をかけて改良されてきました。これらを宇治品種系と呼び、宇治抹茶のブランド力に繋がっています。

抹茶の品種には静岡在来より選抜された「やぶきた系」、宇治在来から選抜された「あさつゆ系」と「宇治品種系」の3本立てがあります。

やぶきた系

やぶきた

静岡在来種の流れを汲む品種。ハサミ刈碾茶の栽培面積としては「やぶきた」が一番多く、生産量も一番多い。煎茶品種としても優れている。元々葉の色が悪く、覆いをしても濃い緑色にならない。入札の早い時期に出るので品質のわりに価格が高い傾向になる。

さやまかおり

「やぶきた」と同じく、静岡在来種の流れを汲む品種。「やぶきた」と同様に、品質の割に価格が高いなどの難点があるが、生産者にとっては反当たりの収量が多い魅力的な品種。

金谷みどり

おくみどり

味は渋みが強く点前用には適さないが、渋みが抑えられる、食用、加工用抹茶としては優秀である。特に2番茶は人気がある。

あさつゆ系

あさつゆ

ゆたかみどり

さえみどり

手摘みもハサミ刈も少しずつ増えてきた早生品種「やぶきた」に「あさつゆ」を交配して育成された。片親が「あさつゆ」であるが、「あさつゆ」のような芋臭さは少ない。味はうまみが利きやすい。これから生産量が増えそうな品種。

宇治品種系

さみどり

手摘み碾茶では一番栽培面積、生産量の多い品種で久世郡小倉村の小山政次郎が選抜した品種である。やぶきた品種よりも摘採期が遅く、覆いをすることで緑色が綺麗に染まる。歩留まりが悪いが、宇治在来よりも味、香りが良いのが特徴

あさひ

碾茶品種の中で一番の高値で取引され、各種品評会で最高峰に位置する品種。京都府宇治郡宇治村の平野甚之丞氏によって選抜した品種で適期が短いため栽培面積を増やすことが難しい。葉は薄く、若い芽の香りは抜群。深みのある旨味が上品な余韻を醸しゆっくりと広がる

駒影

宇治在来品種の実生から選抜して育てた品種。「あさひ」と同じく都府宇治郡宇治村の平野甚之丞氏が育成した。芽が細かくて摘み娘さん泣かせ。

ごこう

露地で育てると芋のような香りが強いが、覆いをすると芋臭さがなくなる。京都府久世郡宇治町の西村氏の在来種から京都府立茶業研究所が選抜。

うじひかり

宇治の在来品種らしくおとなしい。摘採摘期が短いが旬の品質は「あさひ」並みに高い。京都府久世郡宇治町の中村藤吉氏の在来種から京都府立茶業研究所が選抜した品種。

その他交配種

てんみょう

「さみどり」の自然交雑実生から選抜して育成された品種で、「あさひ」と「さみどり」の品質を受け継ぐ。碾茶向きでこれから評価が決まる。

ほうしゅん

「てんみょう」と同じく「あさひ」と「さみどり」の品質を受け継ぐ宇治品種。

つゆひかり

「さえみどり」と同じく、片親に「あさつゆ」をもつ品種。緑が濃く、うまみの強い品種である。

せいめい

片親が「さえみどり」の新品種。抹茶や粉末茶の原料の需要が高まる中で、被覆栽培に適した品種として育成された。評価は定まっていない。

きらり31

「せいめい」と同じく片親が「さえみどり」の新品種。評価は定まっていない。

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